この1週間、米中貿易摩擦について、地上波の番組で説明してきました。ミヤネ屋(日テレ)、スーパーJチャンネル(テレ朝)、そして今朝は、とくダネ(フジテレビ)でスタジオ出演しました。
添付写真は、その番組で使った資料です。
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(略称GPIF、株式市場でのニックネームはクジラ)が2018年10-12月期に14兆8039億円の損失を出したという件です。GPIFの年金運用配分は50%が株式、内訳は日本株、外国株25%です。損失の殆どは株式運用で発生しています。当該時期には、米中貿易戦争が勃発、トランプ大統領の宣戦布告のごとき言動で世界の株価が急落しました。日経平均が2万円割れを演じました。
GPIFの運用資産額は2018年7-9月期の165兆6104億円から10-12月期には150兆6630億円に減少しています。
かくして、米中貿易戦争のトバッチリで私達の大事な年金が14兆円も消えたわけです。
私達の年金がそのような運用で大丈夫なのか、と素朴な疑問が私のところには寄せられます。
それに対する私の答えは、株式運用でこれまで大きな収益をあげており、損するときも、たまにはある、というものでした。
しかし、トランプ大統領が保護主義に走り、世界にポピュリズム政権が拡散してゆくことで、これからの世界は低成長を覚悟せねばならなくなりました。大きくならないパイの奪い合いです。そのような縮小均衡の経済環境では、企業の成長も覚束なく、株式も年金基金が想定してきた利益をあげることが困難になります。
将来、年金が支給されなくなるとは全く思いませんが、支給額が減額せざるを得ない状況は可能性として意識すべきでしょう。
更に、例えば10万円の年金を貰ったとして、それが、どれほどの購買力を持つか。今の若い世代はインフレを知らないからピンときません。しかし、20年、30年の長期を考えると、インフレの可能性を心配する必要があるでしょう。そのとき、10万円で買えるものは激減するでしょう。
そもそも、日本は少子高齢化で、いずれ、年金を取り崩して、高齢者の生活を支えることになります。
このような現実から目を背けず、今のうちから準備しておくことが重要でしょう。
番組では、貿易戦争の一つの影響として年金不安を挙げました。
貿易摩擦は、慢性の症状で、ジワリ長期に亘り続きます。
月並みな言い回しですが、運用は分散あるのみ。打ち出の小づちもなければ、プロの裏技もありません。
本日、日経平均がやっと令和になって初の上昇日となりました。
ご祝儀相場どころか、下げ続けていた株価に歯止めがかかるか、それはまだ先のことでしょう。
GPIFの年金運用も今後益々厳しくなることは覚悟せねばなりません。これは他人事ではない。だって、私たちの年金を運用しているのですから。
GPIFは、運用のかなりの部分をプロの資産運用会社に委託しています。つい最近まで、その運用業者が、利益を出そうが、損失を出そうが、支払われる手数料は同額定額でした。それが、やっと、運用の成果に応じて手数料が支払われるようになったのです。プロの眼では信じられない、甘い運用をしていたのですね。
米中貿易戦争は、年金について、じっくり考えるキッカケになると思います。
 

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