今、市場が楽観論に包まれ、株などのリスク資産が買われ、金が売られている背景に、中国経済の復調が指摘されます。
昨年末にかけて、音をたてて崩れるように、中国経済が悪化していたのですが、中国政府の景気浮揚策により、生き返ったといわれます。経済の墜落(ハード・ランディング)が回避され、軟着陸(ソフト・ランディング)となりそうです。
中国政府が景気を支えるために、矢継ぎ早に繰り出した政策とは、
1) インフラ工事への財政資金集中投入
2) 消費者と企業を対象に減税
3) 銀行へのマネー大量供給
などです。
本来なら、中国がかかえる巨額債務を減らせなければならないのですが、逆に、債務を更に増やしても、経済成長を6%台に維持する姿勢です。債務削減などの構造改革はまたも先送りとなりました。
上海株は、この、なりふり構わぬ財政金融政策投入を素直に歓迎して上昇しました。
かくして、中国が持ち直せば、米国・欧州・日本の経済も安堵するわけです。
足元では、これで、やれやれというわけですが、更に膨れ上がった債務は消えません。いつか、返済せねばなりません。その臨界点が先送りされただけです。そして、借金は、返済せねば、雪だるま式に膨れ上がるだけです。
直近の経済を映すデータの中国PMIが、好不況の境界とされる50を上回っても、その場凌ぎでしょう。
では、臨界点に達したとき、中国政府は、山のような借金を、どうして返済するのでしょうか。
中国の歴史が繰り返すとすれば、人民元を刷りまくって、借金の返済に充てることになります。通貨の価値が堕落して、インフレが生じて、得するのは、借金した人です。借金の実質価値が確実に目減りしますからね。
そのような状況になると、実物の価値がある「金」が買われることになるでしょう。
人民元は刷れるが、現物の金は刷れません。
なお、写真の人民元紙幣の額面は60億元!下の丸窓には、一握りの米が、当時の60億元紙幣の購買力を示すために置かれています。60億元で一握りの米しか買えなかった。1949年のことです。上海銀行博物館の展示物ですが、その裏には、紀元前3世紀に使われたという金貨が展示されていました。
そして、今日の写真は、京都の大原野から直送の筍!大原ではないよ。長岡京があった方角にある丘陵地帯で京都筍の名産地。白くて上品な京都の筍は格別の味です。さっそく、煮たり、焼いたり、筍ご飯や筍スパゲティーにして食します。規格外の筍を送ってもらってます。形はどうでも、おいしさに変わりはないよ。