ダウ平均606ドル安。原油価格58ドル台。11日連続安。ドルインデックスは18か月ぶりに97台で急騰。VIXは再び警戒水域とされる20台に急反騰。金価格は1200ドル大台割れが視野。米国はベテランズ・デイ休日による薄商いで値だけ飛ばした面も否定できない。

背景はドル金利上昇、米中貿易戦争エスカレート観測、ブレクジット・イタリア財政不安でポンド・ユーロ同時安。結果的にドル高進行など複合要因が共振している。

まず、パウエル議長が11月FOMCで、米中貿易戦争などの逆風をものともせず利上げは敢然と進める意向と市場は解釈している。そこに先週、生産者物価指数が事前予測0.3%を大幅に上回る0.6%まで急上昇した。今週発表の消費者物価指数が注目されている。完全引き上げによる米国内物価上昇の可能性も見逃せない。

次に、米中貿易戦争に関しては、今月ブエノスアイレスでのG20で米中トップ会談が予定され、市場は緊張緩和を期待していた。そこにウオールストリートジャーナル紙が、トランプ政権の米中貿易戦争エスカレート計画を報道。従来の関税引き上げから米企業技術流出に歯止めかけるための輸出規制、企業訴訟を強化するとの内容だ。これはトランプ政権内の商務から財務までの共同戦線が必要となる。民間企業からの情報提供など協力も欠かせない。とはいえ、米企業側は中国市場からの締め出しも懸念する。

更に、ブレクジットに関しては、メイ首相に不満を強める新たな閣僚辞任、イタリア予算案のEUへの提出期限迫り、全面衝突懸念に加え、欧州経済の減速も同時進行中だ。

中国関連では独身の日の売り上げが好調と見られるが、前年比の伸び鈍化が材料視されている。あら探しのごとき様相も呈する。

市場別にみると、株式では、アップルが、部品製造下請け会社の出荷量減少との報道で4%下げた。ゴールドマンサックスは、マレーシア政府系ファンドに関わるマネーロンダリングに前CEOブランクファイン氏ら幹部社員関与の情報が流れ7%安。GECEOテレビ生出演で投資家の不安沈静化を図ったが、資産圧縮計画に市場が逆に不安感を強める結果になっている。

外為市場では、ユーロとポンドが同時に売られ、その結果、ドルインデックスが18か月ぶりの97台まで急上昇した。人民元不安も無視できない。

商品市場では、原油価格がOPEC減産観測で午前中は久しぶりに反騰していたが、トランプ大統領がOPEC減産を控えよとのツイートをキッカケに売りが再燃した。市場内では供給過剰・需要減退予測をはやす投機筋が先物売り攻勢を継続中だ。

金価格も心理的節目の1200ドル大台割れ寸前まで売られた。ドル高・ドル金利上昇・原油安が引き続き重し。

かくして、市場に蓄積しているリスク要因が一気に噴出した感がある。

中間選挙後の相場異変だが、市場は不安心理が出切るごときカタルシス効果を期待する。

 

さて、今日の写真は東京でゆきつけ誠鮨@御茶ノ水駅前。日経新聞の「交遊抄」に出させてもらったとき、紹介した店。オーナーが釣り好きの日本最大宝飾製造メーカー会長。富山出身。素材はとてもいいよ。寿司職人ベテラン二人のコンビも良い。昨日は初物の勢子ガニ。そして、タラ白子が東京にしては極めて新鮮な上物だった。軽くレアーに火を通す加減こそ職人芸なんだよ。言葉で表現できる技術ではない。これぞプロの仕事。私など、アルコール飲まず、お茶で白子食べてしまう()とにかく、昨晩の白子は絶品でした。予算に応じて色々対応してくれるから、忘年会にも使ってる。池水雄一先輩!も気に入って使ってるよ。

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