一般的に株が下がると金は上がるとされます。

負の相関ですね。

理屈としては、株安に備え金持つとポートフォリオのバランスが良いわけです。

金のヘッジ機能ですね。

しかし、現場感覚では、株が上がったときに金も買われる事例が多くみられます。

株が急落すると、心配で心配で、金のような新しい資産のことを考える心理的余裕もない。

しかし、株が上がると、余裕で「金でも買ってみようか」という気になる。

これは、投資家の偽らざる本音かもしれません。

 

それから個人投資家と機関投資家の違いも興味深い。

個人投資家は、人はどうあれ、自分だけは、儲けたいと願うものです。

対して、機関投資家は、皆が損しているなら、自分が損しても安心。

皆が儲けているときに、自分だけ損することが悪夢です。

機関投資家と個別に会って金の話をするとき、真っ先に出る質問は「金が上がるか、下がるか」ではなく、「よそさんはどうなんでしょうか」。

ライバル会社がやっていて、自分の会社は出遅れている、という状況を恐れるのです。

 

長年、現場で色々な投資家と対話していると、理屈では割り切れないことが多く、それゆえ、私は「理論派」より「実践派」「現場重視」になったのかもしれません。