日経平均が爆上げしている。
今回は外国人投資家の買いが相場を押し上げている。
これまで見向きもされなかった日本株が、実は割安であることに気づき、米国株から日本株へ資金の一部を移す動きが顕著だ。
特に投資の神様、バフェット氏が日本の五大商社の株を買いまくったことが、強く影響している。神様に続け、というわけだ。
日本人の立場では、保有していた日本株の価値が上がると、リスク・ヘッジのために、レイ・ダリオ氏も語ったように、10~15%程度、金を保有することが重要になる。
よく、株か金か、と聞かれるが、株も金も、が正解だ。
株と金でリスク分散を計ることが基本である。


さて、日本株はどうなるのか。以下に纏めた。(中級者向け)。
これまで日銀金融政策会合には見向きもしなかった外国人投資家層が、今週は、「政策修正見送り」と読み切り、先取りするかたちで、日本株買いを増やしている。
更に、FRBも「利上げ見送り」と読み切り、マネーが株へ回帰する過程で、日本株への運用配分を「アンダーウエイト」から「ニュートラル」更に「オーバーウエイト」へ格上げする事例も増えていると話題にもなっている。


筆者も、日本株買い層が明らかに広がっていることを、日常のウォール街との会話から感じ取っている。
「日銀の声明文発表は16日日本時間12時台か?」
「植田総裁の記者会見で何かサプライズあれば、当方は深夜でも構わないから、知らせてくれ」
既に日本株を購入した層も、これから購入を予定している層も、常になく気になるとみえる。
特に前者は、日本株保有初体験組が多いので、果たして、その決断が正しかったのか、不安な心理状態に置かれている。
それゆえ、日本株に関する好意的な記事を漁るように探している。
マーケティング理論で言うところの認知的不協和を最小限に抑えるべく行動しているのだ。
(フォードの新車の広告を誰が一番熱心に見ているか調査した結果、フォードに新車を買った人であった。
人は商品を買ったあと、他のものにすればよかったと不安に駆られることを認知的不協和と呼ばれ、それを最小限に抑えるように行動するものだ。)
かくして日本株の存在感はNY市場で確実に強まっている。


とはいえ、危うさも見え隠れする。
日本経済や日本株に関する知識が断片的で一夜漬けの傾向が目立つ。
例えば、昨日も、経済専門チャンネルの著名株式専門キャスター氏が、「日本株が買われている理由は円安だ。日本は輸出企業が多いので円安が朗報なのだ」との説明で片付けていた。
日本のインフレ率が上昇している点についても、「物価や賃金が上がらない国とレッテルを貼られた日本の経済が正常化に向かっている」と評価され、円安による輸入物価上昇効果や資源を輸入に依存する実態など詳しく論じられない傾向も気になるところだ。
日銀のETF買いによる株価下支えについても、これまで「中銀の世界では禁じ手」と批判してきた人たちが、ひとたび日本株を買うや、日銀買いに期待するようになる。
結局は、それが相場と割り切るしかあるまい。
今は、外国人投資家による本格的日本株買いの第一段階。
いずれ第二段階に入るところで、日本株の真価が厳しく問われることになろう。


今晩(14日)の報道ステーションで日本株爆上げを取り上げる予定で、テレ朝からZOOMインタビュー受ける。
自衛官射撃の事件で飛ぶかもしれないが。

それから、明日朝(15日)のテレビ朝日のモーニングショーでも日本株爆上げについてコメント予定。