6月米消費者物価上昇率が9.1%と発表されたとき、筆者はNYのトレーダーと電話で話し込んでいたのだが、トレーディング・ルームに流れる諦めのため息が伝わってきた。
覚悟はしていたが、やはり、との反応である。
パウエルFRB議長も、悲壮な覚悟であろう。
マイナス成長が2四半期続く不況期入りは覚悟のうえで、スタグフレーションだけは絶対に避けたい、と断固とした意向が透ける。
金価格には追い風となると私は考える。
個人的にスタグフレーションなど望まないが。
CPI発表後、金国際価格は、利上げ強化の可能性を嫌い瞬間的に1700ドル攻防ラインまで急落したが、その後、思い直したかのように、急反騰。
結局、CPI発表前とほぼ同じ価格水準だ。国内金価格は、依然、円安進行次第。
既にアトランタ連銀のGDP NOW(速報予測)は、7月に入るやマイナス1%以上の経済減速を示している。
FRBもインフレ退治を「無条件で」最優先課題と明言する以上、これまでの利上げペースのエスカレートを迫られよう。
市場が見る7月FOMCでの利上げ幅予測も0.75%幅から1%幅に切り上がってきた。
同9月利上げ幅予測は、一回休み(pause)から0.75%幅までばらついていたが、0.75%幅が予測中央値として浮上してきた。
7月と9月の2回のFOMC会合で1.75%もの利上げとなれば、まさに不況覚悟の劇薬投与といえる。
FOMC参加者からも、早くも声があがっている。アトランタ連銀ボスティック総裁は今回のCPIについて「この数字は懸念される。点検のうえで(1%幅の利上げについては)なんでもあり得る。」と含みを持たせつつ言及した。
中間選挙を控えるバイデン大統領は「受け入れがたいインフレ亢進だが、ガソリン価格は下落している」と苦しいコメントも発しているが、金融政策の実効性発揮にはタイムラグがあるので、パウエル議長に託し、自らは座して結果を待つしかない。
本音は、せめて9月までにはインフレのピーク感を醸成したいところか。
トランプ氏の、ほくそ笑みも想像に難くない。
金価格には1%幅利上げとなると、これはキツイ。
1,700ドル攻防ラインから反騰しても、短期的に1,800ドルは遠くなる。
なお、米債券市場では、政策金利に連動傾向が強い2年債利回り水準が今週初めの3.05%近傍から3.14%まで上昇。
将来の景況感を示すとされる10年債利回りは3%を割り込み2.97%近傍から2.93%まで続落。不況の前触れとされる逆イールド幅は拡大の一途だ。
株式市場には、今回のCPIがピーク。
家賃などの重要アイテムの価格水準は既に十分に上がったとの見解も根強い。
外為市場では、日米金利差拡大でいよいよ140円が視野に入るものの、国際通貨投機筋の売りの標的は先行した円からユーロに移行しつつある。
ドル・ユーロ等価はユーロ安潮流の中では通過点に過ぎないとの読みが目立つ。
更に、売りの標的は新興国通貨にも向いている。結果的には、通貨投機の対象通貨が分散の方向ゆえ、円安ペースは鈍化しそうだ。
なお、7月と9月FOMCの間の8月25~27日に開催されるジャクソンホール中央銀行フォーラムでも、舞台裏で様々な根回しが展開されそうだ。
さてさて、昨日の札幌レポート。
昼には新鮮な刺身盛り合わせ。
塩水ウニ、つぶ貝、コリコリ・ぷりぷりのイカ。
イワシも鮮度高く旨い。そして鮮やかな赤色のシマエビ。
サッと湯に通していただく。
これでタダ!という訳は、今、札幌割という旅行補助金を利用すると、宿泊が一泊につき一人3,000円引き、おまけに一泊一人2,000円相当の買い物クーポン券がつく。
飲食店でも、コンビニでも、タクシーでも指定業者のステッカーがあれば、使える。
ちなみに夕食は昨年発見したハンバーグ店。
写真撮るの忘れた。駅構内のパセオ西にある牛忠という名前だったかな。
オーソドックスなハンバーグで気に入っている。
但し、札幌駅は新幹線乗り入れで大掛かりな改修が始まっており、パセオ西も、来月くらいには、閉鎖されるらしい。
それから、昨日は、YouTubeスタジオの下見をしてきた。