大統領選は遺恨試合に、トランプ「院政」か

バイデン氏は勝利宣言。トランプ氏は法廷闘争で一歩も引かぬ構え。トランプ支持票7千万超はそれなりに重い。日本の「南北朝時代」を思わせる展開だ。トランプが立ち退く様子ないホワイトハウスは後醍醐天皇の吉野宮。。。。みたいな。
しかし、市場はトランプ氏をレームダックと位置付け、バイデン相場の幕あけに動いている。テーマはリフレと増税の綱引き。
先週は上院共和党の「ネジレ議会」を想定した「リフレだが増税回避も」のいいとこどり相場の様相が強まったが、その前提が怪しくなった。上院で2名のジョージア州議員ポストが1月5日の決選投票に持ち込まれることになったからだ。ここで民主党が2議席取れば、上院は50-50となり、その場合には副大統領が最終決定投票権を持つ。バイデンも議会対策が楽になり、増税案なども通し安くなる。
リスクは、やはり国を二分する支持者層を持つトランプ氏がホワイトハウスに居座るケースだろう。保守系判事を送り込んだ最高裁の判断を仰ぐとなれば、マーケットも無視は出来ない事態だ。
この米国内混乱に乗じて、習近平政権が、南シナ海、台湾近海、尖閣付近で軍事的示威行為を強化して、バイデン政権を試しにくるシナリオも考えられる。いっぽうで、米国国民感情は、中国叩きより、大統領選相手候補叩きにシフトしているので、米中冷戦・共倒れを回避するための最後のチャンス到来との見解もNY市場内に流れる。習近平氏とバイデン氏が歩み寄りの構えを見せるとすれば、「タイミングは今」であろう。これは楽観的希望的シナリオ。
なお、閣僚人事の注目はやはり財務長官ポスト。本欄11月日づけ「エリザベス・ウォーレン財務長官リスク」に詳説したが、ブレイナードFRB理事とエリザベス・ウォーレン上院議員の一騎打ちとなりそうな状況だ。
大統領選が遺恨試合となり、不穏なバイデン時代の幕開けである。

さて、相撲に行ってきたよ。向正面の2列目だったので、テレビに頻繁に映っていた、との目撃情報が。意識して、お行儀良く座っていた(笑)マス席に二人で余裕のスペースで飲食は禁止。横綱二人欠場、大関も欠場。大相撲の危機。