バイデン相場の幕あけ、テーマはリフレ

バイデンは勝利宣言。トランプはホワイトハウスに居座る。日本の「南北朝時代」を想起させる展開だ。

市場は、レームダック化したトランプに、もはや、かまってはいられない。

米国の一日感染者数は10万人を突破した後、早くも12万人に達している。そのタイミングで政治空白期間が生じることになる。

今や当面のマーケットの最大テーマは2兆ドル規模の追加コロナ経済対策。これが宙に浮いたままだ。

バイデン政権の閣僚人事も注目される。マーケットの注目はやはり財務長官ポスト。11月2日づけ本欄「ウォーレン財務長官の観測浮上」に書いたように、ブレイナードFRB理事とエリザベス・ウォーレン上院議員の一騎打ちの様相だ。

更に、米国の国内分断がより深刻になり、今回の米大統領選の真の勝者は中国ともいえる状況だ。米国内混乱に乗じて、習近平政権が、待ってましたとばかりに、南シナ海や台湾近海、そして尖閣周辺で軍事的示威行為を激化させバイデン政権を試しにくる可能性がある。思い起こせば、この同じコメントを4年前、トランプ政権誕生時にも、語ったものだ。(写真添付)

株はご祝儀相場でとりあえず上げそうだが、バイデン増税効果がジワリ企業収益を下押しするだろう。金は1950ドルからバイデン相場が始まる。中期的には2000ドルの上値を試しそうだ。

外為市場ではドル安・円高が進行中だが、バイデン・リフレによる長期金利高がドル高を誘発する可能性もある。コロナほどのショックなら、95円程度まで円高が進行しても不思議ではないのに、未だに103円程度か、という感じ。

まずは、今夜のNY市場に注目。