HOME > 池水雄一の貴金属講座 > 2018年 > 「プラチナ の現状 2018-9月」

豊島逸夫による金市場の解説

2018年09月13日
「プラチナ の現状 2018-9月」

「価格の動きと投資家のポジション」

 プラチナの低迷が続いています。特に8月の半ば以降は800ドルをも割り込み、2008年のリーマンショックで一瞬つけたレベル、それ以前ははるか2003年まで遡らないとプラチナがこのレベルまで下がったことはありません。円建てのプラチナもほぼ同じ。3000円というレベルを割り込んだのは前回は2008年の10月そしてその前は2004年のことになります。ドル建て・円建てともに少なくとも10年ぶりの安値レベルにあります。

 

(ドル建てプラチナ:5年)

ドル建てプラチナ5年.png

 

 

(円建てプラチナ:5年)

円建てプラチナ5年.png

 

 

これがどれほど「普通ではない状況」であるかは、先物市場(Nymex、米国の貴金属では世界一の先物市場)の投資家のポジションをみてみれば一目瞭然です。この記録が公表され始めた1993年から現在に至るまでの25年間で投資家がプラチナを明らかなネットショート(売り越し)に回ったのは初めての出来事なのです。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、これほど投資家がプラチナに対して弱気になったのは、おそらく歴史始まって以来初めてのことなのです。当然、ゴールドとプラチナの価格の逆転がこれだけ大きくそして長く続くのも初めてのことです。

 

(過去30年のプラチナの価格の動きとNymex投資家のポジション)

長期プラチナと投資家ポジション.png

 

(プラチナーゴールドスプレッド)

プラチナ&ゴールド.png

 

「最新の需給状況」

最新のプラチナの需給状況をまとめておきます。(以下は最新のWorld Platinum Investment Council, Platinum Quarterly Q2 2018」からの数字です。)

  ・  2018年のプラチナ供給は前年比2%の減少。

  需要も2%の減少。自動車触媒、宝飾、投資分野での減少が、他の産業用需要の増加を上回る結果。石油精製所が2017年に大量に閉鎖されたことの反動で、2018年のこの分野のプラチナ需要は60%の伸びとなっている。(石油精錬の触媒としてプラチナは使われている。)

  需給予想は供給過多。年末の地上在庫は77.6トンになる予定。(鉱山生産量は187トン)

  自動車触媒を除く産業用需要は5%増加で過去6年間では最高のレベル。(約56トン)

  自動車触媒需要は西欧でのディーゼル車の販売減少のため107トンから97トンへ減少。欧州以外ではインドと北米で若干の増加予定。

  投資需要はほぼ前年から変化なしで7.8トン。日本を中心とした地金とコインの需要は堅調だが、その需要が第二四半期のETFからの売りに飲み込まれた状況。

この最新の数字を見る限りやはりプラチナの需給は緩く、地上在庫の余裕もふんだんにあり、需給要因での上昇は望めそうにありません。

 

「新興国通貨売りの影響」

そしてさらにプラチナの状況を悪くしているのが、ドル高から来る新興国通貨売りです。トルコリラが注目を集めていましたが、南アランドも例外ではありません。8月の半ばまでは1ドル=13ランド台だったものが、その後の新興国通貨売りで一時15ランド後半までランドが急落。それがプラチナの売りを誘い、プラチナは835ドルから一時755ドルまで下げました。ランド安=

ランド建てプラチナ高ということで、生産者の売りを誘いやすい環境となり、ランド安(米ドル高)は二重の意味でプラチナの売り材料となるのです。プラチナの全世界の生産の7割強は南アであり、世界の三大生産者はアングロプラチナム、インパラ、そしてロンミンですが、そのいずれも南アの企業。彼らにとってランド安は恩恵であるといえます。

 

(南アランドとプラチナ)

南アランドとプラチナ.png

 

このようにプラチナの環境は決してよいとはいえません。正直、貴金属の中でも勝ち組はゴールドとパラジウム。負け組はプラチナとシルバーという図式が出来上がっています。しかし、最初にも書いたように、今は過去30年でも異常な状況にあります。この状況が修正されるときが、おそらくプラチナが大きく戻すときだといえます。逆説的になりますが、プラチナのこの低迷は、歴史的にみて初めての未曾有のチャンスだと言えるのかもしれません。また短期的にも投資家のショートポジションは必ず買い戻しが入ってくるので、将来的な買いが約束されたものともいえます。市場内部要因だけは、十分な強気材料なのですが。。

以上

  • ●本サイト(http://kikinzoku.tr.mufg.jp)は、「純金上場信託(現物国内保管型)」 (愛称:「金の果実」) ・「純プラチナ上場信託(現物国内保管型)」 (愛称:「プラチナの果実」)・ 「純銀上場信託(現物国内保管型)」 (愛称:「銀の果実」) ・「純パラジウム上場信託(現物国内保管型)」 (愛称:「パラジウムの果実」) (以下、4商品を総称して「『金の果実』シリーズ」または総称して「純金/純プラチナ/純銀/純パラジウム上場信託」または「本商品」または「貴金属上場信託」といいます。なお本サイト内においては、個別商品について「純金/純プラチナ/純銀/純パラジウム上場信託」「純金上場信託」「純プラチナ上場信託」「純銀上場信託」「純パラジウム上場信託」「Japan Physical Gold ETF」 「Japan Physical Platinum ETF」 「Japan Physical Silver ETF」「Japan Physical Palladium ETF」 と称する場合があります)に関する情報の提供を目的としており、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
  • ●「純金上場信託」「純プラチナ上場信託」「純銀上場信託」「純パラジウム上場信託」はそれぞれ別の地金(金・プラチナ・銀・パラジウム)を裏打ちとした個別の商品です。
  • ●本サイトにおける「日本初」とは、日本の金融商品取引所に上場されている商品のうち、日本に貴金属現物が保管されかつ貴金属現物に転換(交換)可能な商品として初めてであることを言います(2014年4月1日現在。三菱UFJ信託銀行調べ)。
  • ●本サイトは、特定の金融商品等の取得・勧誘を目的とするものではありません。
  • ●本サイト掲載の数値・グラフ等は過去の実績・状況であり、将来の市場環境・運用成果等を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりませんので、最終的な投資成果を示すものではありません。
  • ●本サイトの内容は作成基準時点のものであり、その以後予告無く変更または廃止される場合があります。また、この資料に掲載されている情報の作成には万全を期していますが、当該情報の完全性を保証するものではありません。
  • ●当社は、本サイトに含まれる情報およびそれを利用したことにより発生するいかなる費用または損害等の一切について責任を負いません。
  • ●本サイトの一切の権利は当社に属しており、目的を問わず、無断複製・転載を禁じます。

【ご注意下さい】

  • ①当社店頭窓口では本商品のお取り扱いはしておりません。本商品は東京証券取引所に上場されている商品であり、当社(店頭窓口およびインターネットバンキング等いずれも)では「申込・売買・現物への転換(交換)」等一切お取扱できません。本商品に係るお取引をご希望の方は、最寄の取扱第一種金融商品取引業者(証券会社)にお申込み下さい。
    なお、貴金属現物への転換(交換)は、小口転換取扱証券会社のみのお取扱となりますのでご注意下さい。
  • ②小口転換取扱証券会社以外の証券会社で本商品を保有されている方で、現物への転換(交換)を希望される方は、小口転換取扱証券会社への口座移管が必要となります。
  • ③貴金属現物から本受益証券への転換(交換)はできません。
  • ④転換(交換)には一定の口数が必要となります。また、銀・パラジウムは大口転換(交換)のみとなります。
  • ⑤転換(交換)には手数料が必要となります。詳しくは、「転換(交換)について」をご参照下さい。

【その他ご留意事項】

  • ●本商品は、預金等や保険契約とは異なり、元本の保証はありません。
  • ●本商品の運用により信託財産に生じた損益は、全て投資家の皆様に帰属します。
  • ●本商品は「預金保険制度」の対象ではありません。
  • ●金融商品取引業者以外の金融機関は、投資者保護基金の対象ではありません。
  • ●本商品は、販売会社がお申込みの取扱を行います。
  • ●本商品の売買を行われるに際しては、予め、お取引先の金融商品取引業者等により交付される契約締結前交付書面等を十分にお読み頂き、商品の性質・取引の仕組み、リスクの存在、手数料、信託報酬等の費用等を十分にご理解いただいた上で、ご自身でご判断下さい。
  • ●本商品は書面による契約の解除(クーリング・オフ)の適用はありません。
  • ●本商品は投資信託ではありません。

【手数料およびリスクについて】

  • ●本サイトに掲載の商品毎に所定の手数料・信託報酬等の費用をご負担いただきます。
  • ●本商品は値動きのある地金等を信託財産としているので、一口あたりの純資産額(取引所開示)は変動します。したがって、投資家の皆様の投資元金が保証されているものではなく、一口あたりの純資産額(取引所開示)下落により損失を被り、投資元金を割り込む事があります。
  • 手数料およびリスクの詳細につきましては必ず目論見書・有価証券届出書(純金上場信託/純プラチナ上場信託/純銀上場信託/純パラジウム上場信託)をご覧下さい。

商号等 : 三菱UFJ信託銀行株式会社 登録金融機関 関東財務局長(登金)第33号
加入している協会の名称 : 日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会


JDR(日本型預託証券)
金ETFの魅力を語る。「金の果実」を保有するメリットは?