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豊島逸夫による金市場の解説

2017年04月21日
「プラチナ」

「プラチナ」

 

 

(ドル建てプラチナ1年の動き)

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(円建てプラチナの動き)

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プラチナにとっては今年も厳しいマーケットが続いています。

年初の902ドルから始まり、2月末には1,050ドル直前まで上昇しましたが、その後は反落。

4月半ば現在の今は980ドルを少し割り込んだレベルにあります。

一方同じ時期にゴールドは1,160ドルから現在は1285ドルまで上昇。

プラチナとは好対照の動きとなっています。

そのため、ゴールドープラチナのスプレッドは拡大の一歩をあゆんでいます。

現在はドル建てで、310ドルもゴールドの方がプラチナよりも高くなっています。

円建てでも1,000円を超えて1,100円へ近づこうとしています。

 

 

(ゴールドープラチナの価格差の推移:ドル建て)

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この価格差逆転はもはや2年と4ヶ月となり、前回の価格逆転が続いた20119月から20131月までの1年半の記録を大きく塗り替えています。

これだけの長きにわたって、ゴールドの方がプラチナよりも高くなっているのは、記録が残っている1900年からは、初めてのことのようです。

そして問題なのは、この傾向まだまだ続きそうだということです。

現在300ドル以上の価値逆転となっていますが、この値差、そうそう簡単に0になり、そしてプラチナがゴールドを上回るということにはなりそうにありません。

 

 

これまでも書いてきましたが、その最大の理由は、世界情勢の不安により、投資家は安全資産としてのゴールド、円、そして米国債などにその資金をまさに「逃避」させるという動きに出ているためです。

残念ながらその対象にプラチナは入っておらず、資金流入で上昇傾向にあるゴールドに対して、ゴールドが上がっていることをほぼ唯一の材料として、後追いの形で上がるプラチナとではその上昇力に雲泥の差があります。

 

 

そしてプラチナ独自の要因としては、ロンドン市長が、古い型のディーゼル車には、現在平日の市内の中心地に入るすべての車に課している11.5ポンド(約1,600円)の混雑料金に加えて、12.5ポンド(約1,700円)を追加で徴収するというを発表しました。

これはディーゼルエンジンで主に触媒として使われるプラチナにとってはマイナス材料です。

フォルクスワーゲン事件以来、ディーゼル車のイメージが悪くなっていることは否めません。

しかし最新のディーゼルエンジンは、黒い煙を大量に出していた昔のイメージを払拭し、廃棄ガスもむしろガソリンエンジンを下回るレベルで、燃費をはじめとエンジンとしての性能ももはやガソリンエンジンと遜色のないレベルまで改良されています。

先月3月は英国では、25万台ものディーゼル自動車が売れ、これは史上最大の売り上げとなったとのことです。

これらを総合すると、実需という面ではプラチナはそれほど悪くないということがいえます。

 

新しい欧州の排気ガス規制のルールであるEuro 6はより排出ガスに対しての扱いが厳しくなっており、この規制ルールは世界中で追随されています。

中国ではEuro5レベルまでその規制を厳しくしてきています。

規制が厳しくなるとより多くの排出物を処理するために、より多くのプラチナを使う必要があります。

これは逆にプラチナにとっての強気の材料だといえます。

 

投資という観点からは最初に触れたように明らかにゴールドの後塵を拝しているのですが、それでもプラチナの割安感が強いところから、プラチナETFの残高は今年に入ってからは増加の一歩をたどっており、現在は75トンにまで戻してきています。

 

 

Pt ETF残高の推移とプラチナ価格)

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「電気自動車とプラチナ」

 

電気自動車の脅威を口にする人もいます。

確かに電気自動車は電気でモーターを回すだけなので、何も排出しません。

自動車自体はとてもクリーンな存在です。

ただ、ではその電気をどうやって作っているのか?が問題になってきます。

全体での窒素酸化物や二酸化炭素の排出量を考えなければフェアではありません。

電気自動車が走るための電気を石炭や石油などの化石燃料をどんどん燃やして作っているとするならば、それは決して環境にやさしいということにはならないからです。

現在、中国では石炭をどんどん燃やして電気を作っています。

自動車よりも火力発電所が排出する排気物が問題なのです。

日本も原燃がストップしている現在、電気自動車はクリーンエネルギーで走っているとは言えません。

 

 

現在地球上で走っている車の中での電気自動車が占める割合は1%にもなりません。

大手の投資銀行の予想では、2025年にその割合は4%にまで伸びるとしています。

世界の自動車の4%が電気自動車に変わったところで、プラチナの需要に影響は全くと言っていいほどないと思います。

ですから、この先10年間、いやおそらくはもっと長い間、自動車触媒の需要がなくなるとは思えません。

 

 

そういった意味でまだしばらくはゴールドが投資対象としてのコモディティの中心にあることは続き、プラチナはゴールドの影に隠れて目立たない存在であると思いますが、世の中が平和?になり、投資家の不安心理がいっそうされたとき、割安におかれたプラチナに改めてスポットライトがあたるのではないでしょうか?

しばらく少しづつ割安なプラチナをためていくマーケットだと思います。

 

以上

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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