HOME > 池水雄一の貴金属講座 > 2017年 > 「2017年前半の貴金属市場を振り返る」

豊島逸夫による金市場の解説

2017年07月12日
「2017年前半の貴金属市場を振り返る」

2017年前半の貴金属市場を振り返る」

 

 

2017年も早くも半分が終わってしまいました。

今回は今年のこれまでの各メタルの状況を振り返ってみましょう。

 

 

(米国の先物上場商品の年初来騰落率)

 

2017071201.png

 

まず上のチャートを見てください。年初から74日までの各メタルの騰落率は、高い順から

 

・パラジウム24.99%

・ゴールド 6.32%

・シルバー 0.57%

・プラチナ 0.47%

 

と、やはりパラジウムは特別な存在ですが、ゴールドもよい成績だといえます。

シルバーとプラチナが途中までの上昇をほぼすべて払い戻したような形になっています。

同じ貴金属でも明暗を分けたといえます。

 

 

Gold

 

(ゴールドとドル円)

 

2017071202.png

 

(円建てゴールド)

 

2017071203.png

 

 

ゴールドは年初1,150ドルの最安値から始まり、4月には1,296ドルまで上昇。

その後は1,220-1,296ドルというレンジでの取引となっており、年央にして少し息切れしている状態です。

年初からのラリーの最大の要因は、トランプ政権の行方に対する不安とそして201612月にFRBが行った利上げによる材料出尽くし感が挙げられるでしょう。

今年は、株価とゴールドが同時に上昇するという歴史的に見ても稀な状況となっています。

トランプ政権の金融規制の緩和、公共投資の拡大といったアメリカ経済の先行きに対する期待からの買いが株式市場に入り株価は大きく上昇。

NYダウは史上最高値を更新しています。

そして投資資金が株式市場に向かえば、その対極として当然ゴールドからは資金が逃げていき、価格は下落するはずが、今年はそうはなっておらず、ゴールドも6月に入るまでは、ほぼ同じ歩を描き一緒に上昇してきました。

投資家は株価の上昇に着いて行きながらも、やはり不安はあり、ゴールドは売らずにそのままロングをキープするという姿勢でいるのだと思われます。

6月に入り、夏休みシーズンも近づき、地政学リスクも人々の意識から薄れ始めて、ゴールドは今年に入って3度目の下げ局面となっています。

しかしながら中東情勢、北朝鮮問題、なんら解決はしておらず、またいつ何時地政学的リスクが意識されるかわかりません。

また1,200ドルに近づくに連れ、静かだったアジアからの実需の買いも増えつつあります。

もし1,200ドルへのトライがあったとしてもそこは拾いどころのディップだと考えます。

 

 

NYダウとゴールドの動き)

 

2017071204.png

 

Silver

 

(ドル建てシルバー)

 

2017071205.png

 

(円建てシルバー)

 

2017071206.png

 

 

シルバーは基本的にゴールドに従うマーケットですが、金銀比価で考えるとこのところはずいぶんとゴールドよりも割安な状態が続いています。

特に4月以降は70:1を大きく超えて、現在は75:1と歴史的にみてもゴールドに対してシルバーが割安な状態に置かれています。

絶対値で考えると15ドルが底値であり、上値は18ドルで抑えられています。

16ドル割れは拾っておき、金銀比価に修正されるのを待ちたいところ。

 

 

(金銀比価)

 

2017071207.png

 

 

Platinum

 

(ドル建てプラチナ)

 

2017071208.png

 

(円建てプラチナ)

 

2017071209.png

 

今年の5月以来の900ドルに近づきつつあります。

昨年年末今年年初の900ドル割れと今年5月の900ドルタッチがおそらくプラチナのボトムラインであろうと思います。

確かにプラチナを取り囲む情勢はよくありません。

ディーゼル自動車の主戦場である欧州ではガソリン車への乗り換えがすすんでおり、ディーゼル車の売り上げは頭打ちとなっています。

投資家のマネーは、地政学リスクのもと、ゴールドへ向かっており、プラチナは素通りされており、それがもはや2.5年続いているゴールドとプラチナの価格逆転がいまだに解消されない大きな要因となっています。

ただGFMSによると2016年のプラチナ生産コストは974ドルであり、900ドル割れは生産コストからも、また心理的な側面からもさすがに底値感が強いと思います。

といってもいっぺんに大きく反発する力はなく、しばらくは下値低迷が続きそうです。

買い急ぐ必要は全くなく、900ドルが割れる場面で拾えればよいのではと思います。

 

 

(プラチナ生産コスト)

 

2017071210.png

 

 

(プラチナーゴールドスプレッド)

 

2017071211.png

 

Palladium

 

(ゴールドとパラジウムの値動き)

 

2017071212.png

 

(パラジウム円建て)

 

2017071213.png

 

貴金属の中でパラジウムだけは、わが道を行っています。

ほかのメタルが売られるときも、パラジウムだけは売られないもしくは売られても非常に軽微になっています。

その根底にあるのはやはり基本的な需給。

パラジウムは過去6年連続で供給不足という状態が続いており、それが積算してきているのです。

世界中で売れている自動車の大部分がガソリン車であることを考えるとその触媒需要は増加を続けてきたのも当然。

電気自動車やハイブリッドの割合はまだまだガソリン車を脅かすようなレベルではありません。

先月には実際の現物の不足感からか一時リースレート(パラジウムの金利)が急騰、ほかのメタルが1%以下のところをパラジウムだけ20%もするような状況になり、価格も一時900ドルを超えました。

さすがにこれは一時的なパニックが嵩じた動きでしたが、落ち着きを取り戻した今でもパラジウムのリースレートは7%前後とゴールドの0.5%と比べてはるかに高い状態にあります。

この高いリースレートは実際に物が足りないことの端的な表現です。

この状況下にある限りパラジウムは年後半も堅調でしょう。

さすがに900ドル越えは利食いが多いこと、そしてプラチナに近づくことで、よりスプレッドからの売り(プラチナ買い・パラジウム売り)もでて気やすくなり、上値は抑えられそうです。

一時的にプラチナとの逆転もありえるかと思いますが、そうなれば触媒としてパラジウムよりもより効率のよいプラチナを使おうという動きが出てくるので、一時的に終わると考えます。

今年後半は800-900ドルで、850ドル以下よりも900ドルに近くなる可能性が高いと思います。

800ドルに近いところ、800ドル割れは買い、900ドル以上で利食いでしょう。

 

 

(プラチナ・パラジウム比価)

 

2017071214.png

 

 

 以上

  • ●本サイト(http://kikinzoku.tr.mufg.jp)は、「純金上場信託(現物国内保管型)」 (愛称:「金の果実」) ・「純プラチナ上場信託(現物国内保管型)」 (愛称:「プラチナの果実」)・ 「純銀上場信託(現物国内保管型)」 (愛称:「銀の果実」) ・「純パラジウム上場信託(現物国内保管型)」 (愛称:「パラジウムの果実」) (以下、4商品を総称して「『金の果実』シリーズ」または総称して「純金/純プラチナ/純銀/純パラジウム上場信託」または「本商品」または「貴金属上場信託」といいます。なお本サイト内においては、個別商品について「純金/純プラチナ/純銀/純パラジウム上場信託」「純金上場信託」「純プラチナ上場信託」「純銀上場信託」「純パラジウム上場信託」「Japan Physical Gold ETF」 「Japan Physical Platinum ETF」 「Japan Physical Silver ETF」「Japan Physical Palladium ETF」 と称する場合があります)に関する情報の提供を目的としており、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
  • ●「純金上場信託」「純プラチナ上場信託」「純銀上場信託」「純パラジウム上場信託」はそれぞれ別の地金(金・プラチナ・銀・パラジウム)を裏打ちとした個別の商品です。
  • ●本サイトにおける「日本初」とは、日本の金融商品取引所に上場されている商品のうち、日本に貴金属現物が保管されかつ貴金属現物に転換(交換)可能な商品として初めてであることを言います(2014年4月1日現在。三菱UFJ信託銀行調べ)。
  • ●本サイトは、特定の金融商品等の取得・勧誘を目的とするものではありません。
  • ●本サイト掲載の数値・グラフ等は過去の実績・状況であり、将来の市場環境・運用成果等を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりませんので、最終的な投資成果を示すものではありません。
  • ●本サイトの内容は作成基準時点のものであり、その以後予告無く変更または廃止される場合があります。また、この資料に掲載されている情報の作成には万全を期していますが、当該情報の完全性を保証するものではありません。
  • ●当社は、本サイトに含まれる情報およびそれを利用したことにより発生するいかなる費用または損害等の一切について責任を負いません。
  • ●本サイトの一切の権利は当社に属しており、目的を問わず、無断複製・転載を禁じます。

【ご注意下さい】

  • ①当社店頭窓口では本商品のお取り扱いはしておりません。本商品は東京証券取引所に上場されている商品であり、当社(店頭窓口およびインターネットバンキング等いずれも)では「申込・売買・現物への転換(交換)」等一切お取扱できません。本商品に係るお取引をご希望の方は、最寄の取扱第一種金融商品取引業者(証券会社)にお申込み下さい。
    なお、貴金属現物への転換(交換)は、小口転換取扱証券会社のみのお取扱となりますのでご注意下さい。
  • ②小口転換取扱証券会社以外の証券会社で本商品を保有されている方で、現物への転換(交換)を希望される方は、小口転換取扱証券会社への口座移管が必要となります。
  • ③貴金属現物から本受益証券への転換(交換)はできません。
  • ④転換(交換)には一定の口数が必要となります。また、銀・パラジウムは大口転換(交換)のみとなります。
  • ⑤転換(交換)には手数料が必要となります。詳しくは、「転換(交換)について」をご参照下さい。

【その他ご留意事項】

  • ●本商品は、預金等や保険契約とは異なり、元本の保証はありません。
  • ●本商品の運用により信託財産に生じた損益は、全て投資家の皆様に帰属します。
  • ●本商品は「預金保険制度」の対象ではありません。
  • ●金融商品取引業者以外の金融機関は、投資者保護基金の対象ではありません。
  • ●本商品は、販売会社がお申込みの取扱を行います。
  • ●本商品の売買を行われるに際しては、予め、お取引先の金融商品取引業者等により交付される契約締結前交付書面等を十分にお読み頂き、商品の性質・取引の仕組み、リスクの存在、手数料、信託報酬等の費用等を十分にご理解いただいた上で、ご自身でご判断下さい。
  • ●本商品は書面による契約の解除(クーリング・オフ)の適用はありません。
  • ●本商品は投資信託ではありません。

【手数料およびリスクについて】

  • ●本サイトに掲載の商品毎に所定の手数料・信託報酬等の費用をご負担いただきます。
  • ●本商品は値動きのある地金等を信託財産としているので、一口あたりの純資産額(取引所開示)は変動します。したがって、投資家の皆様の投資元金が保証されているものではなく、一口あたりの純資産額(取引所開示)下落により損失を被り、投資元金を割り込む事があります。
  • 手数料およびリスクの詳細につきましては必ず目論見書・有価証券届出書(純金上場信託/純プラチナ上場信託/純銀上場信託/純パラジウム上場信託)をご覧下さい。

商号等 : 三菱UFJ信託銀行株式会社 登録金融機関 関東財務局長(登金)第33号
加入している協会の名称 : 日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会


JDR(日本型預託証券)
金ETFの魅力を語る。「金の果実」を保有するメリットは?