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豊島逸夫による金市場の解説

2019年03月13日
全人代を読む、中国経済の実態

全人代は多くの分科会に分かれ、様々な議論が展開される。

例えば、環境生態相はこう語る。

これまで、排ガス・排水の基準を満たせず多くの工場が廃業に追い込まれ、地方では失業者が溢れたこともあった。そこで、地元政府が雇用を守るために、環境規制緩めるという事例もあるやに聞く。

更に、大気汚染対策を地方政府に競わせたので、目標達成のため、正常に操業している工場まで一時操業停止に追い込まれる事態もあったやに聞く。

これは、典型的な官僚形式主義だ。企業の汚染対策に猶予期間を与えるなど対策を考えたい。

要は、経済成長を守るか、青空を守るか。今回の全人代では、なりふりかまわぬ「ばらまき政策」で、とにかく雇用を守ることを優先する方針が明らかにされた。

 

次に、経済問題。

消費は盛り上がらない。

今年の春節は不調だった。

中国人の海外観光者たちも、財布の紐は固い。

消費を支える新車販売も1-2月には385万台と昨年同期比  14%減に落ち込んだ。

政府は、環境に配慮しつつ、排ガス規制対応車や農村の小型乗用車への買い替えに補助金を出して自動車産業を支える。

消費が盛り上がらないのは、いつリストラになるか分からないという雇用不安と、住宅ローン負担がずっしり効いている。不動産価格は大都市で一時3割以上急騰したが、その後、鎮静化。しかし、家計の負債は2016年の33%から2018年には50%以上に急上昇している。

 

次に、香港分科会。

一国二制度で香港の独自性を認める基本的スタンスは変わらず。

しかし、全人代では、香港に関して、「高度な自治」が原則だが、昨年盛り込んでいた「民主を推進する」の文言が削除された。

香港で身柄を拘束された人物を外国政府に引き渡す協定が検討され、香港人の反感を買っている。そもそもは、例えば、台湾で犯罪を犯した人物が香港に逃げ込んだ場合、香港側が身柄を拘束して台湾側に引き渡す、というケースを想定している。しかし、反共産党思想の人物を拘束して中国側に引き渡す可能性が懸念されているのだ。

中国は独自に犯罪を定義して、政治的な理由で投獄する国。

香港でビジネスする外国人(含む日本)も、身柄拘束リスクを懸念する。

 

そこで、中国側は経済的に香港を中国本土に抱き込む政策に出ている。「香港大湾区」構想だ。

2035年までに「大湾区のイノベーション革新と経済力を大きく引き上げる」「国際競争力のある先進的な製造業拠点を建設する」と全人代でも謳われた。

次世代通信規格5G、ロボット、3Dプリンター、遺伝子検査など、「中国製造2025」国家戦略に沿った構想だ。

製造業の広州、スタートアップの深圳、国際金融の香港を、1時間以内の高速交通アクセス交通網で結ぶ。

かくして香港が中国の一部になってゆく。既に、香港に見切りをつける香港人の一部にはカナダなどへの移住が加速している。

 

人口動態的には、2016年に導入された、ふたりっ子政策が二年目にして、早くも人口が減少し始めた。日本同様、少子高齢化は避けがたい。なぜ、ふたりっ子政策が失敗したか。

教育費が高いのだ。塾習い事などカネがかかる。中国は、多くの夫婦が共働きだが幼稚園が少ない。20歳代の女性が減っている。都市部では晩婚化、非婚化が顕著だ。

軍事予算は急増しており、明らかに、社会保障より軍事優先だ。

軍事面では、潜水艦から発射できる新型ミサイルで、射程1万2千キロ、米国に達する距離。核搭載型の開発が進む。空母も2隻に増やした。5月に黄海が一時航海禁止になったが、そこで、新型空母の試験運行があったか、との噂が流れる。そもそも、米国とロシアが中距離核兵器禁止条約をお互いに廃棄して、新冷戦時代と言われるのも、中国が同条約に参加せず、独自の核兵器開発を進めていたからだ。

 

そして、今日の写真は、ふんわりラザーニャと、生ハム&パルメジャーノ&ルッコラの定番&私の好物@自由が丘マガーリ。

そういえば、大阪、福島地区で私の20年来の知り合いシェフが始めた「HANAKO晩酌食堂」というこじゃれた店を紹介したら、このブログ読者が相次ぎ来店したとシェフから知らせあり。今週末は、その福島地区にあるABC朝日放送「正義のミカタ」生出演のため大阪に一泊するので、また寄ってみるつもり()まったく、偶然にも、ABCから歩いて5分の近くにあるとは。。。

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