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豊島逸夫による金市場の解説

2018年10月09日
危うい中国、とばっちり円高、円建て金価格急落

中国人民銀行が銀行預金準備率引き下げ緩和姿勢を示したことが、市場では不安要因となった。世界の主要中銀(日銀除く)が緩和から引き締めに移行するなかで、中国だけが民間への資金供給を増やさざるを得ない。人民元安を誘発し、中国からのマネー流出が加速するリスクを冒しても、緩和方向へ舵を切らざるを得ないほど、中国経済は悪いのか。外為市場は、米国経済好調持続を映し、ドル高傾向だ。ドルインデックスは上昇して95台半ばの高値圏。ただでさえ人民元から米ドルへマネーが移転しやすい市場環境である。

米中の冷戦状況が悪化しつつあることも懸念材料とされる。トランプ政権側は、中国が中間選挙介入と非難する。中国側も強い口調で否定・批判する。

いっぽう、欧州では、EUとイタリアの非難合戦が再度顕在化して、イタリア国債の利回りが再急騰した。イタリア財政悪化懸念は根強く、イタリア政府側の予算案強硬突破姿勢も市場の不安感を煽る。

結果的にリスクオフの波が世界の株式市場に下押し圧力をかけた。

米国ダウ平均も一時大幅安となったが、かろうじてプラス圏で引けている。

このとばっちりで円が買われ一時は112円台をつける場面もあった。

対ユーロではドル高になっているのとの対比が鮮明だ。

そして、NYドル建て金価格は大幅安で1180ドル台に。明らかにドル高に反応している。但し、円だけは例外で円高なので、結果的に円建て金価格はダブル安。ここは値ごろ感あり。更に、パラジウムが1080ドル台で、ついに金価格との値差が100ドル程度まで接近。もし逆転することがあれば、これは貴金属市場の歴史に残る出来事。昔は卑金属とまでいわれたパラジウムが金価格を追い越す可能性など想像もできなかった。これ、小さな市場で投機のなせるワザ。

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