豊島逸夫による金市場の解説

2018年03月13日
中国人と金

以下は先月読売新聞に寄稿したものです。

今年の春節期間中に大挙して押しかけた訪日中国人観光客たちは凄かったですね。私も至るところで遭遇しましたが、職業上、やはり目につくのは、ゴールド・ジュエリーを身に着けている人が多いこと。これは、もう民族のDNAとしかいいようがありません。経済の世界では中国経済減速が懸念されるのですが、こと「金」になると、中国は依然ダントツ世界一の金需要国です。多少懐具合が寂しくなっても、可愛い孫や愛する妻のために「金」を買ってあげる。こういう愛情に根差した需要は底堅いですね。

更に、中国人民銀行も、外貨準備としての金購入を長期的に増やしています。実は、中国は世界最大の米国債保有国なのですが、トランプ大統領の通商政策に不安を感じて、米国債離れに動いているのです。その結果、買い増しているのが、中国人らしく「金」というわけです。株が一時暴落するなど、不安定な市場環境が続いていますが、金価格は中国需要という「鉄板」の下支えがあるので、株価と異なり「底抜け」しません。「安全資産」と呼ばれる所以なのです。

 

博物館にて.jpg

添付写真の説明

上海の銀行博物館に展示されていた60億元紙幣。丸窓の中にはひと握りの米。紙幣の購買力を示す。このようなハイパーインフレの体験から、現物の「金」選好度が強まった。

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