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豊島逸夫による金市場の解説

2017年11月13日
パラジウム高騰と有事の金にはご用心

2014年7月25日本欄に「パラジウムバブルの死角」と題して書いたとき、パラジウム価格が1000ドルを超え暴騰する可能性を秘める、と記した。今、それが現実になっている。

 

歴史は繰り返すというが、2000年にもパラジウム価格が先物市場で1000ドル以上に暴騰した直後300ドル台まで暴落するという一幕があった。そのときには、当時の東京工業品取引所で投機負けした個人投資家たちの怪我人が続出した。一旦下げ始めると、売りが売りを呼び、値幅制限により連日ストップ安となったのだ。要は、買った人が、みるみる下がる相場を前に、売るに売れない状態だ。追加証拠金を要求された先物投機家は強制手仕舞いを強いられた。この苦い経験を今の市場は忘れているかのようだ。当時と需給が違うというのが投機筋の言い分。しかし、原油価格が一気に1/3になったり倍になったり乱高下することが需給だけでは説明できないと同様に、パラジウムの派手な値動きを正当化することは無理筋だ。要は投機マネーのいたずら。misprice価格の歪みという現象である。

 

2014年の本稿でも「世界的な低金利で運用難に陥っている過剰流動性マネー(もともとは中央銀行の量的緩和によりばら撒かれたマネーだが)が、パラジウムをもてあそび始めたら、市場規模が小さいパラジウムなどは、ひとたまりもない。」と書いた。

相場に絶対はないというが、ひとつだけ絶対がある。それは上げ続ける相場はない、ということだ。

有事の金買いにもご用心と書いたが、パラジウムバブルにも警告を発しておく。

 

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