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豊島逸夫による金市場の解説

2014年07月22日
地政学的リスクの連鎖

「地政学的要因」といえば、単発で一過性と相場は決まっていた。

それが、最近は、勃発頻度が急増している。

シリア(内戦)、エジプト(クーデター)、イラク(国家分裂危機)、パレスチナ(紛争激化)そしてウクライナ。

更に、中国の海洋進出強行。

特に、ウクライナ上空でのマレーシア機撃墜などは、想像だに出来なかった事態だ。

ここまで、複数の地政学的イベント・リスクの連鎖が続くと、複合要因となり、共振現象がインパクトを増幅させている。

例えば、シリア内戦は、イラン(シーア派)とサウジアラビア(スンニ派)の代理戦争的様相を帯びている。

そこに、軍事介入を示唆するオバマ大統領の先手を取るようにプーチン大統領がアサド政権との外交的解決を実現させてみせた。

イラク紛争再燃も、シリアとイラクにまたがる部族の介在により、国境線が実質的に消失するがごとき事態になっている。そもそも、中東の原住民にしてみれば、欧米により地図上に引かれた国境線との意識が強い。

結果的にはシリアからイラクに飛び火ともいえる展開になっている。

そして、イラク問題が市場を動かす「地政学的要因」として陳腐化し始めた矢先に、ユダヤ人生徒3人が誘拐して殺されるという事件が勃発。

パレスチナ人若者が報復殺人の標的とされ、イスラエル・パレスチナ問題が一気に緊迫化した。

パレスチナ人居住区域のガザ地区は多数の民間人死者を出す事態となっている。

ここは人口密度が極めて高く、しかも、無数のトンネルが掘られ、ミサイルが撃ち込まれれば、市民の犠牲は不可避である。

 

そしてウクライナ。

民間機撃墜を巡り、ロシアは国際社会で孤立化しつつある

ロシアとの経済関係が強いイタリア・ロシアも、今回ばかりは「穏便な措置」で済ませるというわけにもゆかぬ情勢だ。

そこでほくそ笑むのが中国だろう。

ロシアが孤立化すればするほど、反動で、中国に接近するは必至だ。

更に、中国としても、太平洋への海洋進出は日米との摩擦を生むので、ロシアとの協調関係強化は悪いハナシではなかろう。

中韓共同で日本との歴史的問題を蒸し返し、日韓関係を悪化させることで、米国をけん制している折りの出来事でもあった。

このように俯瞰してみると、今、市場に影響を与えている地政学的要因が、いかに複雑に絡み合っているかが分かると思う。

それゆえ、金市場にとっても、思わぬ持続的価格下支え要因となりつつある。

「有事の金は一過性」と書いてきたし、事実、単発問題としては、そのインパクトも限定的だ。

しかし、ここまで複合化すると、「有事の金」のインパクトも、もはや無視できない。

想定外の出来事の連続で、2014年後半に私が想定していた価格レンジより50ドル以上高い水準で相場は推移している。

今後の注目点はタイミング。

即ち、FRBイエレン議長の利上げへの道筋という下げ要因と、「有事の金買いの連鎖」という買い要因が顕在化する時期が問題となろう。

地政学的リスクが一服したタイミングでFOMCにおける利上げ議論が高まると、金価格は「予定通り」下押しすることになる。

しかし、FOMC直後に新たな地政学的イベントが勃発すれば、金価格の下げは食い止められる。

相手が「地政学的イベント」だと、まさに予見不可能。

但し、長期的に見れば1100-1200ドル台が大底圏ゆえ、下がってもあと1割。そこを皆が狙っているわけで、結局、下がり始めたら、あまり欲をかかずに買い増すしかなかろう。しかも、ドル円相場も長期的に見れば円安基調ゆえ、円建て金価格が下がりにくい状況は続く。

日本人個人としても、「有事への備え」を真面目に考えねばならぬほど、世界情勢は激動している。

 

さて、今週発売の日経ヴェリタスのコラム「逸's OK!」には「セクハラやじと向き合う姿勢」と題する原稿を書きました。

更に、今日発売の日経マネー「豊島逸夫の世界経済深層真理」では「パラジウム」を取り上げました。

 

今日の写真は、旬の果物。

山梨県から送られてきた桃と、秋田県から送られてきた「砂丘メロン」。

メロンは北海道夕張メロンがブランド品だけれど、倶知安方面で採れる「雷電メロン」もゆけるし、青森、秋田の地元でも高品質のメロンが栽培されています。

その他にも山形県のサクランボもあり、この季節は、ジューシーな果物が盛りだくさん。

ケーキなどのスイーツより、産地直送の旬の果物にかぶりつく時期だね。

桃もメロンも熟する直前の、やや固めの食感が一番好きです。

 

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